1970年代中頃より、折にふれ江戸から東京に伝えられた伝統の文物や
職人達を撮影してきました。文化文政期に完成された江戸の色彩や形は
くらしの中に脈々と受け継がれてきましたが、近年ではそれらも殆ど伝える
ことができなくなってしまったようです。
東京の下町に生まれ育った者の感情として日常のくらしの中でこれらの
ものを身近にめにすることができなくなってしまったことはとても残念です。
写真展ではこれまでに出会った江戸伝来の〈いろ〉と〈かたち〉、職人達
の仕事場、そして東京の下町の雰囲気などを記録したものの中から80点
ほど選び展示いたしました。
木村惠一